スタイル 写真200% 活用コラム

あなたの美容室、車椅子や耳が聞こえないお客様に対応できますか? [2024/03/18]

お客様のなかには、耳や目が不自由、暮らしに車いすが欠かせない、など障害がある方もいます。あなたの美容室では、そういったお客様への準備や配慮は充分でしょうか?もしかしたら、気遣いが足りていない、気を使いすぎて空回りしている、といったケースがあるかもしれません。この記事では、耳が聞こえない方の美容室での体験談を参考に、誰もがホッとできるサロンの在り方について考えていきます。

 

  1. 美容室で受けて嬉しかったサービスが話題に
  2. 耳が聞こえないお客様が美容室でされて嬉しかったサービスとは

       2-1. 筆談で、必要事項のやり取りだけでなく雑談もしてくれた

       2-2. 時間を気遣ってもらえた

       2-3. シャンプー時の視界も気にしてくれた

  1. 美容室でバリアフリーを意識するときのポイント

       3-1. 物理的に利用しにくくないか

       3-2. 障害者に不利なルールがないか

       3-3. 情報を得にくい状況になっていないか

       3-4. 意識しすぎるもしくは無関心

  1. 心のバリアフリー、できてますか?

       4-1. スマホの音声入力を活用

       4-2. 片耳難聴や片目が見えない場合は立ち位置などに配慮を

       4-3. 前髪カットに抵抗があるお客様の中には先端恐怖症をお持ちの方も

  1. ヘアスタイルの相談には豊富なスタイル写真が必須!
  2. バリアフリーの心を持ち快適な美容室に

 

美容室で受けて嬉しかったサービスが話題に

障害がある方も過ごしやすい美容室とは、どのような空間でしょうか。カットやカラーの技術だけでなく、個々の障害に配慮したサービスも求められ、目指したいと思いつつも難しさを感じているサロンオーナー様もいるかもしれません。そこで参考になるのが、障害がある方の実際の声や意見です。

 

ここでは、日々の出来事をマンガエッセイとして描き、雑誌の紙面やWeb媒体で話題となっている「ミカヅキユミ」さんの美容室でのエピソードを紹介します。

 

聴覚障害者であるミカヅキユミさんは、とある美容室で受けたサービスが心にずっと残っているそうです。サロンを訪れたら、筆談でヘアスタイルをオーダーし、仕上がりを待つのがいつもの流れ。しかし、初めて利用した美容室では、これまでに経験した接客と少し違う嬉しい心遣いを感じられたのだとか。担当の美容師さんの対応とは…?

 

詳しくはぜひ以下の「ミカヅキユミ」さんのブログをご覧ください。

https://senaka-ponpon.blog.jp/archives/34565475.html 

 

耳が聞こえないお客様が美容室でされて嬉しかったサービスとは
生まれつき耳が聞こえないミカヅキユミさんは、マンガエッセイのなかで、初めて訪れた美容室の以下のような対応に心が温まったと紹介しています。

 

<聴覚障害を持つミカヅキユミさんが嬉しく感じた美容室の対応>

  • 筆談で、必要事項のやり取りだけでなく雑談もしてくれた
  • 時間を気遣ってもらえた
  • シャンプー時の視界も気にしてくれた

 

それぞれの対応について、少し詳しく状況をお伝えしていきましょう。

 

筆談で、必要事項のやり取りだけでなく雑談もしてくれた

ミカヅキユミさんは、表情や身振り手振りに加えて筆談を利用し、美容師とコミュニケーションをとるそうです。美容室では、担当美容師に文字でヘアスタイルをオーダーし、あとは静かに仕上がりを待つのがいつものパターン。 しかし、新たに訪れた美容室は違いました。担当美容師が、何気ない会話も筆談で振ってくれたそうです。

 

一般的に、新規のお客様に対しては「このお客様は会話が好きな人かな?施術中は話さないタイプかな?」と様子を伺い、お客様に合わせて接客を変えるスタイリストが多いことでしょう。しかし、障害がある方がご来店した場合はいかがですか?

 

これまでミカヅキユミさんが受けた接客は「オーダー以外の会話はしない」のほぼ一択。雑談を楽しむ選択肢はないようなものでした。美容師と会話を楽しむ別のお客さんを尻目に「自分はほかの人と違うから仕方ない」と寂しさを飲み込み、どこか諦めていたそうです。 しかし、その担当美容師は、通常のお客様への気遣いと同様にミカヅキユミさんへ自然に「施術中に会話するか・しないか」の選択肢を投げかけました。

 

ミカヅキユミさんは「私もおしゃべりを楽しんでいいんだ」と大変嬉しく思ったそうです。

 

時間を気遣ってもらえた

担当美容師に時間を気遣ってもらえたことも、ミカヅキユミさんにとって新鮮な出来事でした。筆談は、紙に文字を書く作業が必要となり、通常の会話よりも時間がかかります。そのため、ミカヅキユミさんは、常に相手に対し「自分に時間をかけてもらい申し訳ない」といった気持ちを抱いているそうです。担当美容師に対しても同様で、筆談を続けるには、カットの手を止めてもらわなければなりません。

 

ミカヅキユミさんは、「自分はほかのお客さんよりコミュニケーションが難しく、スタイリストさんの貴重な時間をもらってしまっているのでは…」と心配になり、担当美容師に時間的な余裕について質問をします。すると、返ってきた言葉は「今は余裕があり、私も話をしたい。ミカヅキユミさんこそお時間大丈夫ですか?」といったものでした。

 

ミカヅキユミさんは、対等に接してくれていることに喜びを感じたそうです。これまでは、“相手の時間をいただいている”という意識があるゆえに、自分の時間を大切にしてこれなかったのだとか。しかし、この会話で「コミュニケーションはお互いのもの。相手の時間とともに自分の時間も大切にしよう」と思えるようになったと述べています。

 

シャンプー時の視界も気にしてくれた

ミカヅキユミさんが嬉しく感じた接客は、もうひとつあります。それは、小さな気遣い。これまでのエピソードでお伝えしたように、担当美容師はミカヅキユミさんを自然に気遣える人で、シャンプー時の行動にも人柄が表れていました。

 

シャンプーの際にシートで顔を覆ってくれる美容室でしたが、なんとミカヅキユミさんに対しては、目を出してシートをかけてくれたというのです。視覚から情報を得ている彼女を思いやり、“目を覆うと不安になるのでは…”と心配したからこその行動でした。思わず爆笑し、筆談で「目を隠して大丈夫」と伝えたそうです。

 

ミカヅキユミさんにとって、一連の流れを止めてでも疑問や要望を伝え、双方で確認できたことはとても新鮮でした。担当美容師の行動一つひとつが心に残り、サービス以上のものを得られ、感謝の気持ちを抱いているそうです。

 

障害があるお客様に美容室で快適に過ごしていただくためには、相手への気遣いとともに、双方のコミュニケーションが重要であることが伝わります。

 

 

美容室でバリアフリーを意識するときのポイント

あなたの美容室でも可能な範囲でバリアフリーの考えを取り入れ、どんなお客様にも気持ちよく過ごしていただけるよう工夫してみてはいかがでしょうか。ヒントとなる例を紹介します。

 

物理的に利用しにくくないか

まずは美容室が物理的に利用しにくい状態になっていないか、障害がある方の目線となり考えてみましょう。意識したい箇所は、入口のドアや通路、トイレなどです。足に障害があり引きずるように歩く方や、杖を利用する方のためにスペースを確保する、段差をなくす、などを意識してみましょう。段差は高齢者やお子さんへの配慮にもつながります。

 

障害者に不利なルールがないか

美容室のルールも障害がある方にとって不利とならないか確認しましょう。たとえば、ペットNGでも盲導犬は入店可能とする、など、障害がある方が通いやすいようルールを臨機応変に調整するのもひとつです。

 

情報を得にくい状況になっていないか

美容室を訪れたお客様が情報を得やすいよう配慮することも大切です。たとえば、視覚障害があるお客様には口頭でのアナウンスが、聴覚障害があるお客様へは視覚的に情報を伝えることが鍵となります。できるだけ幅広いお客様に対応できるよう、準備を整えておくのがポイントです。

 

意識しすぎるもしくは無関心

障害者のお客様への接し方が分からずに、意識しすぎてしまったり、反対に無関心になりすぎたりするケースも見受けられます。どちらも障害がある方にとって居心地が悪い印象となるため気をつけましょう。

 

難しい部分ではありますが、お客様の歩くペースに配慮して適度な距離感を保ち席まで案内する、シャンプーの際にお客様に伝わる方法で湯加減を聞く、など行動で示せることもあります。ぜひ美容室ごとにできることを考えてみましょう。

 

心のバリアフリー、できてますか?

障害を持つ方が快適に施術を受けられるよう、美容室業界もバリアフリーに対応した店舗が求められる世の中へと変わってきました。改修が必要となったり、専門知識が求められたり、一朝一夕では難しいと頭を抱えるサロンオーナー様もいるでしょう。

 

しかし、マインドを改めることはそう難しくありません。障害がある方を気遣う心を持ったり、担当者レベルでできる小さな工夫を重ねたりするだけでも、お客様へ与える印象は変わります。以下の具体的なアクションを参考に、心のバリアフリー化を始めてみましょう。

 

スマホの音声入力を活用

前半で紹介したミカヅキユミさんの例のように、聴覚障害があるお客様とのコミュニケーションは、文字をベースにしたやり取りがスムーズです。そこでおすすめが、スマホの音声入力機能。紙にペンで書くよりも早く言葉を文字化でき、カット中でも手間がかかりません。「ロングヘアでゆる巻きに仕上げますか?」「ショートが好きですか?」など、お客様へスマホ画面を見せるだけで気軽に会話できます。

 

片耳難聴や片目が見えない場合は立ち位置などに配慮を

耳や目に障害があるお客様がご来店されたら、接客の際の立ち位置に工夫してできるだけスムーズにコミュニケーションを取れるよう心掛けましょう。聞こえにくいお客様とは、相手と目を合わせられる位置に立ち、視線で合図をしてから会話します。見えにくいお客様の場合は、こまめな声かけを意識します。

 

片耳が聞こえにくい、片目が見えにくい、といったお客様であれば、どちら側から話しかけるべきか確認しましょう。背後や、見えない・聞こえない側から急に近づくと驚かせてしまうため、健常な側から近づくのがコツです。

 

前髪カットに抵抗があるお客様の中には先端恐怖症をお持ちの方も

お客様のなかには先端が尖ったものを見ると動揺する「先端恐怖症」をお持ちの方もいます。こうしたお客様を接客する際は、お客様に寄り添い症状を聞き、ハサミの取り扱いには充分に注意しましょう。前髪カットでは、先端が丸いすきバサミやヘアカットレザーを活用するのもひとつです。

 

 

ヘアスタイルの相談には豊富なスタイル写真が必須!

カウンセリングの際は、スタイルブックや写真を見ながら話し合うとスムーズ。ヘアスタイルは、言葉だけでなくビジュアルも共有したほうが仕上がりイメージを決めやすいでしょう。独自にサロンモデルのスタイル写真を撮影するのは難しい…といった場合は、専門業者から素材を購入するのがおすすめです。

 

BSP(ビューティー・ストック・フォト)では、月額定額でサロンモデルの画像を何枚でもダウンロードできます。「スタイルブックのためにできるだけ多くの素材を揃えたい!」「人気のヘアスタイル写真をダウンロードしたい」といった美容室のオーナー様はぜひご活用ください。単品での写真販売も行っているので、数枚だけ写真が欲しいときにも重宝します。『HOT PEPPER Beauty(ホットペッパービューティー)』への掲載も可能です。

バリアフリーの心を持ち快適な美容室に

ヘアカットでご来店するお客様のなかには障害を持つ方もいます。こうしたお客様が心地良い時間を過ごせるよう、いかなるときもお客様の気持ちに寄り添った接客を心掛けたいですね。サロンのバリアフリー化だけでなく、心のバリアフリー化も進めて、どのようなお客様にとっても「また来たい」と思っていただけるような空間を作っていきましょう。紹介したコミュニケーションのコツもぜひ参考にしてください。

 

====================================

2,500枚以上のスタイル写真がダウンロードし放題!

ヘアモデル写真をお探しの方・サロンオーナーさん・美容室経営者さん必見!

ヘアサロン写真の充実には、Beauty Stock Photoがおすすめ★

 

BSP(ビューティー・ストック・フォト)

新着スタイル写真一覧はこちら:

https://beauty-stock-photo.jp/lst/?cate=&search=&kval=&sort=new

====================================