乾燥する季節は静電気が気になりがち。髪の毛への影響もさまざまで、トップが逆立ったり前髪がぺたんこになったり、不快感にお困りのお客様は多いものです。今回はそんな静電気に対しておすすめのヘアスタイルやアイテム、ケア方法など美容師としてご提案できる解決方法を紹介します。カウンセリングやお客様との会話にぜひお役立て下さい。
- 静電気が髪に悪い理由
- 静電気対策にシャンプー・トリートメント・ヘアブラシなどの商品をおすすめ
- ベリーショートや重めミディアムでお客様のお悩みを解決!
3-1. 顔まわりスッキリ!ベリーショート
3-2. ウェットヘアも映える大人ボブ
3-3. レイヤー控えめ!重めミディアム
- ロングヘアをキープしたいならまとめ髪
- たかが静電気とはいえ油断大敵!健康な髪には適切なケア&ヘアスタイルを
静電気が髪に悪い理由
ドアノブに触ったとき、誰かと接触したときなど、ふとしたタイミングでパチッと刺激が生じる静電気。お客様も日々のスタイリングで不快に感じているに違いありません。
【静電気のメカニズム】
本来、物質はプラスの“原子核”とマイナスの“電子”を同じ数だけ持ち電気的に中性ですが、物質同士が摩擦でこすれ合うとバランスが崩れ、プラスの電荷を持つもの・マイナスの電荷を持つものとして帯電します。これが別の物質に触れると、プラス・マイナスのバランスを取り戻そうと電荷が放出される“放電”が起こり、その際に刺激を感じることがあります。これが静電気です。
静電気は電荷のバランスが崩れた際に生じるのがポイント。髪の毛やウール、ナイロンはプラスに帯電しやすい性質があり、マイナスに帯電しやすい物質、例えばアクリルやポリエステル、ポリウレタンなどに接すると静電気が生じやすくなります。
また、静電気は乾燥した状態で起こりやすいのが特徴。水蒸気には電気を逃がす性質があるため、湿度が高い状態であればこまめに放電が起こり、物を触ったときに静電気が生じません。一般的に、湿度が40%以下になると静電気が起こりやすいといわれています。
髪が広がる・パサつく・逆立つ・はりつく・絡まるなど、髪にとってさまざまな悪影響がある静電気。お客様によっては、「パチッと痛いから嫌」という程度にしか考えていないケースもあるため、実は以下のような問題もあることをお伝えしておきましょう。
・空気中のチリやホコリ、ゴミ、花粉、雑菌、ウィルスなどを引き付けてしまう
・髪の毛のキューティクルを剥がれやすい状態にしてしまう
髪に汚れが付着することで頭皮トラブルが生じたり、キューティクルが傷むことで髪の内側から水分やタンパク質が逃げてヘアダメージが助長されたりするため、冬場はより一層ヘアケアが大切になってきます。
カット中の何気ない会話の中でお客様にお伝えしておけば、トリートメントなどのスペシャルケアをおすすめしやすくなりますね。
静電気対策にシャンプー・トリートメント・ヘアブラシなどの商品をおすすめ
髪の毛に発生する静電気はちょっとしたケアで対策できます。ポイントは、髪の保湿と静電気が発生しにくい工夫をすること。以下のような対策が有効です。
【静電気対策のコツ】
・スタイリングの前に保湿する
・摩擦が過度に生じないようブラッシングを最小限にする
・プラスの電荷を帯びやすい素材とマイナスの電荷を帯びやすい素材を同時に身に付けない
シャンプー後の保湿は頑張っても、スタイリング時のケアは適当なお客様は意外と多いもの。静電気対策には朝の保湿も重要です。保湿スプレーでケアしてからスタイリングをすると、日中の髪の乾燥を防げるため、仕上げに使用してお客様に手触りを確認していただくと良いですね。
ブラッシングのコツを実際にやって見せながら説明することも、スタイリング剤やヘアブラシのご購入に有効です。摩擦が過度に生じないよう、トップから毛先にかけて毛流れに沿ってブラシを入れるやり方をお客様の目の前で実演しましょう。その際、ブラッシングのしすぎは静電気のもととなることも忘れずにお伝えしておきます。
着ている洋服によって静電気を引き起こしやすくなっている場合もあるため、日ごろから静電気に悩んでいるというお客様の場合は静電気の簡単なメカニズムとともに服装のコツも教えてあげましょう。
ポリエステルやアクリルのような化学繊維は静電気が起きやすく、異素材の重ね着も気をつけたいポイント。コットンや麻のような天然素材の服を着用するよう心がけ、化学繊維の衣類には静電気防止スプレーを吹きかける、という対策もおすすめです。
サロンにも静電気防止スプレーを常備して、ご希望のお客様にはお帰りの際に利用していただくというサービスも喜ばれるでしょう。
【おすすめの静電気対策商品】
・保湿ケアできるシャンプー・トリートメント
・静電気対策ができるドライヤー
・天然毛でできたブラシや木製ブラシ
サロン仕様の保湿力が高いシャンプーやトリートメントは、ヘアケアの観点だけでなく静電気対策としてもおすすめ。例えばアミノ酸系のシャンプーは、洗浄力がマイルドで髪が乾燥しにくい特徴があります。保湿成分としてセラミドやヒアルロン酸が配合されたトリートメントも静電気対策にピッタリです。
近年は静電気除去機能を搭載したドライヤーや、静電気が生じにくい天然素材の質が高いブラシなどさまざまなアイテムが販売されています。サロンに導入して実際に使用感を試してもらうと、購入に繋がりやすいでしょう。施術当日にその場で購入すると割引きになる、などお得なキャンペーンを実施するのもおすすめです。
ベリーショートや重めミディアムでお客様のお悩みを解決!
ここからは、冬の静電気で髪がまとまらない、ぺたんこになる、といったお悩みを抱えたお客様におすすめのヘアスタイルを紹介します。ぜひお客様へご提案する際の参考にしてください。
顔まわりスッキリ!ベリーショート
(画像:耳かけベリーショート)
静電気対策には思い切ったベリーショートヘアがおすすめ。短いヘアスタイルにすると、髪とタートルネックやマフラー、ニットの襟部分が接触しにくいため、摩擦による帯電を防ぐことができ、静電気へのストレスが軽減します。
ウェットヘアも映える大人ボブ
(画像:大人向けボブスタイル)
髪の毛のボリュームを残したボブも静電気対策にピッタリのヘアスタイル。レイヤーがたっぷりのエアリーなヘアスタイルとは異なり、重みで髪の広がりを抑えることができます。オイルやスタイリング剤でウェットな質感を違和感なく楽しめるヘアスタイルなのも魅力。
レイヤー控えめ!重めミディアム
(画像:大人可愛セミディスタイル)
長めのヘアスタイルがお好みのお客様向けの静電気対策ヘアなら、重めミディアムを。レイヤーをしっかり入れると乾燥や静電気で広がりやすくなるため、動きや変化を演出したいときは顔まわりのみにレイヤーを入れるのがおすすめです。
ロングヘアをキープしたいならまとめ髪
静電気対策にはさまざまな方法があり、ヘアアレンジ可能な髪の長さのお客様へは、まとめ髪のご提案やレクチャーも「参考になる!」と喜ばれます。
ロングヘアの方には、髪の毛が擦れあったり絡まったりしにくく、衣類にも触れにくいシニヨンヘアがおすすめ。ミディアムヘアの方にはポニーテールや、一つ結びの毛束の途中を数か所ゴムで結び、丸い膨らみをいくつか連ねた玉ねぎヘアアレンジも良いでしょう。できるだけ首まわりをスッキリとさせるのが静電気対策ヘアのコツです。
ボブヘアならウェットなスタイリングにして静電気による膨張を抑えたり、おしゃれなヘアピンで襟足に髪がかからないようアレンジするのもおすすめです。
髪は長いほど摩擦で擦れて静電気が起きやすいため、ロングヘアを美しくキープするにはまとめ髪アレンジとともにこまめなケアも欠かせません。保湿や摩擦軽減を意識したブラッシング、静電気に配慮したアイテムの活用で髪への負担を最小限に留めてもらいましょう。
お手入れが行き届いていない状態では毛先が傷み、乾燥から静電気が生じてヘアダメージが蓄積する…といった負のスパイラルに陥ってしまいます。髪の毛を伸ばしている途中のお客様にも、定期的にメンテナンスで美容室に足を運んでいただく必要性をお伝えしておきましょう。
たかが静電気とはいえ油断大敵!健康な髪には適切なケア&ヘアスタイルを
「乾燥する季節の静電気は仕方ない」と諦めてしまうお客様もいますが、静電気は頭皮のトラブルやダメージヘアの一因となることも。こまめな保湿や静電気が起こりにくいヘアスタイルのご提案でお客様の健康な髪を守っていきましょう。ヘアスタイルのご提案に困ったら、サロンモデルの素材購入サイト『BSP(ビューティー・ストック・フォト)』もご参照ください。2025年人気のスタイルを月額定額で何枚でもダウンロードいただけます。『HOT PEPPER Beauty(ホットペッパービューティー)』への掲載も可能です。
今回ご紹介した、静電気対策のスタイル写真はこちらから見ることができます!
====================================
2,500枚以上のスタイル写真ダウンロードし放題!
ヘアモデル写真をお探しの方・サロンオーナーさん・美容室経営者さん必見!
ヘアサロン写真の充実には、Beauty Stock Photoがおすすめ★
BSP(ビューティー・ストック・フォト)
新着スタイル写真一覧はこちら:
https://beauty-stock-photo.jp/lst/?cate=&search=&kval=&sort=new
====================================